Seize the day!! インドネシアの空の下

2012年 04月 28日 ( 1 )




大人の過去と、こどもの未来

先月、念願だった学校運営委員会と先生たち向けの研修会を開催しました。

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「学校を休ませ海藻養殖の手伝いを子どもにさせる親が悪い」という先生たち。

「先生がうちの子を留年させたから学校に行かなくなった」という保護者たち。



子どもたちの中退や留年を防ぐ為には大人たちの意識を変えることが不可欠。



お互いに原因を求めている双方に歩み寄ってもらうきっかけづくりの1歩として、

「学校運営委員会」に間に立ってもらうこと。

そもそも学校運営委員会の目的は、保護者・地域・学校が協力して良い学校を作る、

そのつなぎ役になること。

委員は保護者や地域の人たち。

一応インドネシアにもそういう制度はあります。


けど、私の活動しているプントンド小学校は残念ながら

今まで委員会活動がまともにされたことはありませんでした。

学校予算にサインをするくらい。


そこで、お隣ゴワ県のNGOに協力してもらい、

そのNGOの支援で学校運営委員会の活動が軌道に乗った小学校の

協力を得て、比較研修会を開くことに。

このNGOと小学校、本当にいい関係を築いていて、

保護者が中・高も巻き込んで独自にコミュニティ組織を立ち上げたくらい。

以前は田植えや稲刈りの時期は子どもは学校に行かず、

先生もまともに授業をしていなかったとか。

そんな彼らの体験談を聞くほうが、

日本人の私があれこれ言うよりも効果があがると思い、

自由に意見交換してもらいました。

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結果は・・・感想アンケートを見る限りでは成功。

感動した。

やる気が出た。

これをスタートに頑張りたい。   などなど

プントンドの人たちに良い刺激があったようです。

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でも。







でも。






でも。








実際のところ、彼らの心の中はわかりません。




ずーっと引っかかってたんです。




プントンドの人たちの中には、

この活動を「ナオコの活動」としかとらえていない人もいること。

自分たちの問題としての認識はなく、

「ナオコがやろうっていうから。じゃあ行ってやるか。」みたいな。


実際、彼ら大人には私の活動があってもなくても同じです。

むしろ仕事が増えた、かき回されたと思ってる人もいるかもしれない。

子どもが留年しようが中退しようが、痛くもかゆくもないわけです。




職が少ないタカラールでは、安定した収入を得られるのは公務員くらい。

でも公務員になるには大卒資格が必要。

大学の学費まで払えるわけが無いから今この時点で小学校を中退しても同じ。

どうせ海藻の仕事をすることになるなら、わざわざ学校に行く必要もないじゃないか。



・・・という話を聞いたり、




そもそも子どもが教育を受けること自体を嫌がる親がいるという噂も。

なんでも、新しい知識が外から入ってくることを極端に恐れているらしいです。

文化を壊されるからと。

貧しくてもこの生活でいいじゃないか。

という話もあり。



そして、このプントンドは僻地。

この閉鎖的空間には、彼らにしかわからないコミュニティの人間関係や歴史があり、

たかだか1年ほどしか関わっていない外国人の私には、それは共有できないものです。

実際、プントンド小学校の校長先生と学校運営委員会の委員長は親戚同士。

本来、外部の目を持つべき立場の委員のはずが・・・。

さらに体育の先生は校長の奥さん。

あれはいとこ。

あっちははとこ。

あいつは義理の兄弟。

と、血縁関係が強く。



こういう歴史や慣習が積み重なってきた大人たちを、

私が変えようとするのは傲慢・・・?





「教育の必要性」は教育系ボランティアの誰もが考えるテーマですが、

私はその授業の内容や読み書き計算はもちろん、

学校の決まりを守って仲間と過ごす時間や、

その中で生まれる人間関係を大切にすること、

自分とは違う他人を尊重すること、敬うこと、

何かに向かってがんばろうって思うこと、

わからないことをわかるまで考えること、

できた!っていう嬉しい感覚を知ること、

インドネシアのことを知り誇りをもつこと、

もしかしたら世界のことを知ること。

そういうことを学ぶ場所が学校なんじゃないかって思うんです。

こういうことを知ったうえで海藻の仕事をするのと、

知らずにするのと、

きっと見えてくるものが違うと思うんです。




でも、残念ながら私の残り任期はあと5ヶ月。

そのあいだに、セメスター試験、セメスター休暇、断食月、断食開け休暇。

きっとこの残り期間で大人たちに意識を変え、協力を求めるのは難しいと思います。

私の力不足。。。

悔しいけど。





そのことをカウンターパートのダニーに話しました。

すると、彼女もこのプントンドで長くNGOとして活動して、

住民たちの意識を変えることの難しさをずっと感じていてたと。

インドネシア人の彼女が何年もかかって難しいと感じていたことを、

外国人の私が1年そこそこで変えられるはずがないか・・・と、

悔しいながらも納得。





残りの5ヶ月をどう使うか。

大人へのはたらきかけを「あきらめる」んじゃなくて、

子どもたちの未来に「視点を変える」んだよ。

と、アドバイスをもらいました。



そうか。

残り5ヶ月で大人を変えようと、目に見える成果を出そうとするから苦しくなるわけで、

今後10年、20年、30年先の大人をいま育てるって考えたら、

すごく気持ちが落ち着きました。



今の子どもたちが大人になったとき、

何かが少し良くなってるといいな。

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by naoko-Indonesia | 2012-04-28 23:18 | 任地活動

JICA青年海外協力隊          尚子のインドネシア日記           スラウェシ島 タカラール県          青少年活動隊員          (平成22年度2次隊)
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